二月の勝者新刊12巻で感じる、極めて不平等な世界

新刊の11巻出てました、二月の勝者。これは中学校受験を舞台にした有名予備校フェニックスと中堅予備校に通う生徒と先生たちの熱い受験漫画、なんですが描写や人物がなかなかにリアルで引き込まれます。
親御さんや家庭状況も頻繁に出てくるので受験をきっかけに崩壊しそうになる家庭(まんがでいう、ししょーの家)などもそう、この12巻でいえば子供のカンニングなんて絶対に認めない親なんかもこれにあたるわけで、家庭環境や親の思考がまともに出てくるなと思うわけです。人間はみんな違うし極めて不平等にできているので、御三家に合格するのが有名予備校フェニックスの考えですが、そうでない受験生もたくさんいるわけなのでこのあたりの描写も面白い。

全員が二月の勝者になるのか、ならないのか、話は進んでいくのですが容姿や身体的なものよりも差が生まれるのは知力の違い、という部分を結構感じます。わずか12年しか生きていなくても人間の知性は大きく異なるわけで人間が人間通しで違いがある最大の要因が知性に依存しているからだといえます。英語ができる、算数ができる、小学校でも大きく差はありましたし、私立中高一貫校の高い教育水準で勉強できるような子はさらに伸びるでしょうし、逆にこの塾に通う子の中には学校の延長上として、塾に通えば友達もいるし時間もつぶれるからという感覚の子もいるわけです。

自分がどう、なんていうのはなくて、不平等だけど逆に言えば努力次第で逆転できる世界というのがこの今の不平等社会にあるわけです。自分の特徴や夢にあわせて環境を作り変えて、仮に中学校だめ高校だめでも有名な大学に進学できる機会もあれば、司法試験に受かれば弁護士になる機会もあれば、知性はないけどサッカーがうまいからとサッカーの特待生を得てプロになることもできる、極めて不平等な世界で平等に扱ってくれないからこそ、今の自分の努力で未来を変えることができる世界、これが今の世界だと思います。

こんな認識だから今自分はこのように仕事もできるわけで、違う国や違う時代ならまた異なったはず。自分が自分の未来に夢を見て自分を創っていける、中学受験という言葉だけで聞くといいイメージない場合もありますが自分が他の誰でもない自分の人生を選択し進む、そんな子供たちや先生・親御さんの漫画です。
二月の勝者は続きが待ち遠しい、面白い本です。

関連しているブログ記事一覧