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DeNAにユニバーサル・スタジオ……業務提携する任天堂の思惑

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『SEOマーケティングの未来を読む vol.123』
DeNAにユニバーサル・スタジオ……業務提携する任天堂の思惑

【1】 2015年6月で8年目になります

今回の題材とは関係ないのですが、
6月で8期目です、早いものです。変化をチャンスに。

「変化を脅威でなく、機会としてとらえなければならない」
ドラッカーのいうように、市場の変化をとらえもっといいサービスを、市場に顧客に受け入れてもらえるサービスを追求してまいります。

みなさまのおかげで仕事も企業も経営も歩んでこれました、これからももっと精進してまいります。

引き続きどうぞよろしくお願いします。

【2】 WEBマーケティング4コマ漫画

■ 第151話
広告の3Bアゲイン
おやおや。呉くんは広告について勘違いしていたようです・・・

■ 第150話
レコメンデーション
『この商品を買った方は、こんなのも買ってます』のあの有名なものレコメンデーション。

【3】DeNAにユニバーサル・スタジオ……業務提携する任天堂の思惑


任天堂が大型プロジェクトを2つ発表し、注目を集めています。

一つは、モバゲーの運営や横浜ベイスターズの買収で有名なDeNAと提携し、任天堂がスマートフォン向けゲームの開発に着手すること。

もう一つは、大阪にあるユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJと言ったほうがわかりやすいでしょうか)の会社、ユニバーサルパーク&リゾート(Universal Parks & Resorts)と提携し、任天堂のキャラクターや世界観を活用したエリアやアトラクションを共同開発しユニバーサル・スタジオのテーマパークに展開すること。

ユニバーサルパーク&リゾートは大阪のUSJをはじめ、米国カリフォルニア州ロサンゼルス、米国フロリダ州オーランド、シンガポールの4箇所にテーマパーク「ユニバーサル・スタジオ」を展開しており、現在中国の北京やロシアのモスクワでもテーマパークの建設が計画されています。

海外でも任天堂のキャラクターや世界観を活用したエリアが生まれるかもしれませんね。

今回のメルマガでは、DeNAやユニバーサルパーク&リゾートと任天堂の業務提携の話を取り上げてみたいと思います。

IP(知的財産権:Intellectual property)の活用を掲げる任天堂

キャラクタービジネスを展開し成功している企業の筆頭は、やはり世界的に有名なミッキーマウスで何十億ドルもの利益を生み出しているウォルト・ディズニー社でしょう。

日本ではハローキティで有名なサンリオもキャラクターを活用して成功しており、2012年3月期の営業利益が過去最高の189億円を記録したりしています。
ちなみに、キティちゃんはどんな企業やキャラクターとでもコラボすることで有名で「キティちゃんは仕事を選ばない」なんて揶揄されたりしています。
(おみやげ屋を覗くと異様なキティちゃんのキーホルダーがあったりしますよね)

ゲーム専用機やソフトの開発というイメージが強い任天堂ですが「マリオ」「ゼルダ」などのキャラクターは日だけでなく海外でも人気があるので、任天堂はキャラクターのブランド力という強みも持っているのです。

DeNAやユニバーサルパーク&リゾートとの提携には、新たな収益源を開拓するために外部の企業にキャラクターの活用を認め使用料を得るライセンス事業に乗り出していこうという任天堂の思惑があります。

IPの活用について、任天堂のキャラクターのイメージや価値を損なわないことを条件にした上で、岩田聡社長はこう説明していました。

「時代の変化に対応し、収益機会を最大化する」

「これまでライセンスしないと決めていた分野でも、直接の競合関係ではなく、Win-Winでやっていけるものについては柔軟に対応していく」

これまでにもあった?任天堂のテーマパーク

日本だけでなく海外でもゲームを通じて幼い頃から親しまれてきた任天堂です。

海外の子供が初めて覚える日本語は「NINTENDO」なんて説もあるくらいですから、任天堂のテーマパークをつくろうという話は以前からもあったそうです。

しかし実際に作られたのは、

・前社長である山内溥氏の私費で建設された「時雨殿」

・愛知万博に合わせて開設された「ポケパーク」

の2つだけのようです。

任天堂とユニバーサルパーク&リゾートとの提携で、どこのユニバーサル・スタジオで任天堂のキャラクターや世界観を活用したエリアが展開されるのか、任天堂のキャラクターがどのように活用されるのか、まだ明らかにされていません。

しかし、大阪のUSJで公開中のハリー・ポッターエリアのホグワーツ城のように、USJでマリオワールドのキノコ王国やクッパ城が再現されたり、マリオカートに実際に乗り込んでレースできたりするようになるかもしれないと想像すれば、子供の頃から任天堂のゲームに慣れ親しんでいる日本人はワクワクしますよね。

テーマパークに消極的だった任天堂

「キャラクターを使ったテーマパーク」という要望は、以前から任天堂に寄せられていましたが、任天堂は「マリオ」「ゼルダ」などの自社の人気キャラクターを囲い込んでいましたし、集客やおもてなしに莫大なエネルギーを必要とするテーマパークを任天堂が単独で運営することは現実的に難しいと判断していたそうです。

しかしパートナーがいれば話は変わるとも考えていたため、今回のユニバーサルパーク&リゾートの申し出により提携に至ったそうです。

DeNAと業務提携しスマートフォンゲームに参入へ

任天堂とDeNAは業務提携し、スマートフォン向けゲームや複数端末に対応する会員制サービスを共同で開発・運用することになりました。

任天堂は220億円を投じDeNA株を10%超取得し、自己株1.24%を220億円でDeNAに譲渡。
ゲームの企画・開発を任天堂が、サーバー開発や利用者サービスなどの運営はDeNAが担当するそうです。
任天堂のキャラクターを使用したゲームを年内に発売するだけでなく、任天堂のゲームのユーザー向けに新たな会員制サービスも始めるそうです。

「マリオ」などの人気キャラクターを持つ任天堂と、ITに強くユーザーの動向を分析するなどスマートフォン向けのゲームやサービスの運営ノウハウが豊富なDeNAとが組んだというわけですね。

今までゲーム専用機に力を入れてきた任天堂が、スマートフォンのゲームにも手を出すのは大きな戦略転換ですが、この提携もDeNAの守安功社長から任天堂の岩田社長へのラブコールがきっかけだったようです。

スマートフォン向けアプリに本気の任天堂

「任天堂がやる以上、成果を出さないと意味がない」

「中途半端なアプリでは成功しない」

と任天堂の岩田聡社長は語り、社内にスマートフォン向け事業の専門組織を立ち上げ、人気ゲーム「マリオカート」の制作者をソフト開発の責任者に抜擢しています。
スマートフォン向けのゲームだからと片手間でしているわけではなく、据え置き型ゲームのソフトと同じくらいの力を注いでいるのがわかります。

しかし、スマートフォンと据え置き型ゲームは、収益構造が大きく異なります。
ゲーム自体の面白さなら任天堂の本来の力が発揮できるでしょうが、スマートフォン向けのゲームで重要なのは、面白いゲームを作ることではなく、いかに課金したくなるゲームにするか、です。
事実、スマートフォンのゲームで高収益をあげているゲームは一部のユーザーによる高額課金によって成り立っています。

こうした面からも、今回の提携でどのようなゲームが生まれるのか、気になるところです。

任天堂が転向した理由

数年前から任天堂はキャラクターの外部使用には消極的で、中でもスマートフォン向けゲームには否定的ですらありました。

「物理的なボタンのないスマートデバイスではスーパーマリオを楽しく遊べない」

とまで岩田聡社長は言い切っていました。
それがDeNAとの業務・資本提携の会見の席上では「任天堂なりの答えが出せた。絶対の勝算を持って臨みたい」「億単位のお客様に楽しんでいただく」と一転しています。

この任天堂の転向にはいくつかの理由があります。一つは、家庭用ゲーム機の衰退。
2007年の家庭用ゲーム機などの国内市場は7000億円でした。それが2014年には3700億円程度に縮小。
その一方で、スマートフォン向けのゲーム市場は急成長し、1兆円を超えるゲーム市場全体の半分を占めるまでになっています。

もう一つは、任天堂の強烈な成功体験とプライド。
任天堂はだれでも知っている通り「ファミリーコンピュータ」「ゲームボーイ」などで家庭用ゲーム機の歴史を築き上げ「ニンテンドーDS」や「Wii」で世界的な大ヒットを飛ばした企業です。

家庭用ゲーム機での強烈な成功体験やプライドから、スマートフォン向けゲームを否定するような空気が社内にあり、マリオなどの人気タイトルをスマートフォン向けに制作しようという声が大きかったにもかかわらず、実現しなかったそうです。

任天堂の幹部も、スマートフォン向けゲームの開発は社内では無理と判断していたため、今回のDeNAとの提携となったようです。
「スマートデバイスとゲーム専用機の間に懸け橋をかけたい」と岩田社長は会見で何度も強調しています。

スマートフォン向けのゲームが主流になりつつある状況を、任天堂もただ指をくわえて黙って見ているわけにはいかないし、家庭用ゲームに固執していては先細りが目に見えているので、スマートフォンを活用し新規に任天堂ファンを増やしていきたいという考えがあるのでしょう。

任天堂のソニーのゲーム機とのちがい

ゲームといえば任天堂と並んで「PS4」のソニーコンピュータエンタテインメント(SCE)を思い浮かべますよね。

しかし、任天堂とソニーでは少し事情が違います。
PS4は高画質かつ高性能なため、スマートフォンゲームとは差別化しやすいという特徴があります。

手軽にゲーム機を携帯しゲームを楽しみたい層がニンテンドーDSからスマートフォン向けのゲームに移ったのとは違い、高画質で高度なゲームを求めてPSを楽しんでいるユーザーがスマートフォン向けのゲームに移ることはありません。

そのため、スマートフォン向けのゲームの拡大では、PS4のソニーよりも任天堂の方が大きく影響されてしまうのです。

まとめ

任天堂の岩田聡社長はとても意義深い発言をしています。

「かつて家庭用ゲーム機で10年かけて起こった変化が、スマートフォンでは2年くらいのスピードで起こっている」

スマートフォンのために、時代の変化のスピードがものすごく速くなっているのです。
しかし、家庭用ゲーム界の王者とも言える任天堂は、その矜持を失ったわけではありません。

DeNAとの業務・資本提携の会見の席上で、任天堂の岩田聡取社長は、

「ゲーム専用機ビジネスに対する情熱や展望を失ったからではない」

と説明し、その証明として新たなゲーム専用機プラットフォーム「NX(開発コード名)」を開発中であることを明らかにしたのです。
詳細は2016年に発表されるようです。あっと驚くようなゲーム機で、また世界に任天堂の名を轟かせてほしいと願っています。

時代の変化のスピードが速くなれば、企業もそれに応じて変化するスピードを速くしなければなりません。
現状維持にこだわり自社をジリ貧に陥らせるわけにはいきませんからね。
企業というものは変化を強いられているのだと、いやが上にも思い知らされます。

しかし、変化を強いられながらも、自社の持っている情熱や展望を失わない任天堂の姿に憧れも感じます。
変化をチャンスに考える場合には、ぜひご相談を!

記載:クレアネット谷

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