経営者のジレンマの苦しみと楽しみについて


※ ゴッホの作品タンギー爺さん

『今の事業性と市場性、競合他社とか現状を一番知っているのは経営者なんです。だから既存株主の側だけ見ることで失われる経営のダイナミズムについてよくわかっています』

ヤナティさんのブログから。ヤナティさんはファンコミの社長さん。
http://hatebu.net/entry/d.hatena.ne.jp/ankeiy+news/20150205/1423102872

経営者のジレンマの苦しみと楽しみ、について。

『自分たちが将来こうなりたいという世界が見えたら、現状なんてぶっ飛ばしてきちんとそれをストーリーに落として取締役説得して、監査役説得して従業員説得して株主説得して、チャレンジすればいいと思うんですよね。
ビジョンが見えてないのに金儲けのことばかりじゃだけだと駄目だと思いますが、自分たちが実現したい世界があるから戦うべき』

ほんといい話です。

既存の事業がそこそこ利益をあげているときの次の事業がに資金を突っ込むことはなかなか難しいと思います。普通は「新規事業や新しいことを取り入れて利益を」なんて言いますし思うのですが、新商品、新サービス1つとるだけでも現在の安定的な利益はそのままにしつつ新しいことにぶっこめることほど人間難しいことはありません。さらにその難しいことにチャレンジして、既存の安定的なことを捨てると「利益減った!」と言うのが責任ない側の人たち。

そういうわけで今の仕事の延長で無難にすることのほうがメリットが大きいし、「やらないといけない!」の掛け声だけで結局は何も変えないし変えるつもりもないパターンが多いのだな、と10年経営すればまがりなりとも気づいて来る訳です。技術がどうだこうだ、最近のトレンドはあーだこーだ、知ってますわかってます、けどそれを今やるのか、実際やったけどうまくいってないような現状も、綺麗ごとしか言わない外野はうるさい。

1つの商品サービスを取ってみても、自社でない商品=仕入れを行って販売すると仮定しても、セールス、マーケティング、サポート、とその後のことまで考慮は当然必要です。
こういった仕事柄、コンサルティング要素も必要なので人的要素も必要になってきます。そして最初から目が出るとは限らないので、ソフトバンクADSL方式で無料キャンペーン配布など、とにかく最初は無料で赤字でOK戦略を行った場合の転換率も当然考慮必要でもあって。当たり前ですが、人件費、仕入原価、家賃払ってアイディアがあってお客さんに説明あって、役員報酬ほとんど取ってないとか利益出る方法を考慮して営業利益が少し出たとかになったらそこから税金とか借金の金利とか払ってお金を残すわけです。ほんと。

そんな中で、「新しいことに取り組もう」と「現状のままではよくないよ」と外野から聞かされるのが経営者で、こんな話を経営者が聞かされて「ぼくの顔は今大丈夫な顔なんだろうか」と思うことはたびたびのわけです。それでも素直に真摯に聞く部分は聞くのですが

そうは言っても新しいことを行うにあたっては、大きな新しいことでなくても昨日より今日、今日より明日に創造的な仕事をしていくと、少しずつの改善は生まれます。その繰り返しをひたすら高速でまわせば競合他社より優位性が生まれます。ここからブレイクスルーが生まれる、生まれた瞬間がまた格別。経営なんて結果責任なんで結果が出たらみんなハッピー、だから楽しい。

タンギー爺さん書いたゴッホは40歳手前で自殺で亡くなるのですが、フランスで浮世絵に衝撃を受けてこんな背景に浮世絵や富士山描いた作品を残してます。
想像でしかないんですが、ゴッホたぶん「浮世絵描いちゃえ、うひゃひゃ」軽いノリあったような気がします、これも仕事の楽しさ。見えないおもりをつけると陳腐化します。

究極的なことをいえば、プロダクトサービスよくする、営業マーケティングがんばる、いい人の仲間を増やす、あとはお金の面でファイナンス必要ならそうする、この繰り返しでうまくいきます。
もちろんプロダクトサービスは、クオリティ、スピード、プライシング、ジレンマがあるのですが、うまくいくから楽しい。

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