[盛和塾] 機関紙マラソン 109号

[盛和塾] 機関紙マラソン 109号

塾長講話 「正しい判断をする」

新しい分野を切り開き、発展していくのは、豊富な経験を持っているからではありません。常識を備えているからでもありません。人間としての本質を見すえ、原理原則に基づいた判断をしているからです。

正しい判断を下すには、まずは経営者自信が「心の中に規範を持つ」ということが大切です。

集団を正常に機能させるためには、それぞれが自分自身の中に自らの行動を律する厳しいモラル、つまり心の中に規範を持つことが必要です。

集中して考えることが習慣化されていなければ決してできないことです。日頃から些細なことに対しても有意注意を心がけ、すさまじい集中力を注いで、真剣にものを考える習慣をつけることが大切です。

ど真剣に、一生懸命集中して仕事にあたっている人は、自分に自信がありますから、一つ成功すれば、「ああ、これはもう全部できる。」と思うのです。

人の上に立つリーダーは、集団の幸福を、責任を持って追求していかなければならないだけに、そういうすさまじい生き方に耐えられない精神力しか持たないのでは、やはり経営者としての資格はないのだろうと思います。肉体的にも精神的にもタフな自分をつくっていかなければなりません。

よく勉強をし、すばらしい経営戦略、経営戦術、つまりマクロを教わってきたからこそ、自分から進んででも現場に出て、泥だらけになって現場のミクロを理解する。そうすれば鬼に金棒となるはずです。高度な経営学を身につけ、さらに「現場の仕事をやらせてください」と、自分から言うくらいでなければ、真の経営者にはなれるはずがありません。

【気付き】

心の中に規範を持つ、こと。

これは不惑四十、ようやく意識的になってきました。いいこと悪いこと、
できることやっていいこと、短期的にいいけどいずれはあかんこと、などなど。

普遍的ですが、コツコツ積み重ね、創意工夫を重ね、勤勉に仕事に人生に取り組む、
常に挑戦、チャレンジある人生を歩む、などなど。
生涯貫く仕事に出会い、日々精進すること。

懇親会二次会での質疑応答より

立派なお父さんが会社をおつくりになって、そして立派な経営をなさっているならあなたはまだ入社されて三年です。
お父さんに何かもの申すなどということは、できるわけがありません。

【気付き】

先達は何事もあらまほしきことなり。
 何事にもその道の先生や指導者はいてほしいものである。

素晴らしいお父様の事業を引き継ぐに当たって、多少大きな会社などで仕事をすると
このような意見の話を聞きます、経営者の事業承継あるある、的なものです。

今あるものにのっかることと、0から徒手空拳で作った人の価値は何倍、何十倍どころか
何百倍も違うと思ってます。

「資産を相続できても、資産を築いてきた汗を相続することは難しい」

という言葉がありますが、

「事業を承継できても、事業を築いてきた汗を承継することは難しい」

もわかります。

「顧客を引継できても、顧客と共にを築いてきた汗と成果を引継することは難しい」

と社内では言ったりします、二人三脚で一緒に悩み解決してきた汗や苦労を
バトンタッチは難しいんです。

津嘉山 修 有限会社西自動車商会 代表取締役

私は、若い頃に脱税まがいのことをしてとっちめられてからは、営業利益や経常利益は「利益」として考えずに、税金を引いた税引後の利益を「利益」だと考えようというふうにしたのです。そして、税金は経費だと思うようにしました。

「これは経費なのだ」と思い、「税引後の利益が利益なのだ」というふうにすれば、その利益は公明正大に社員たちに配ることもできるし、株主に配当として配ることもできる。

弊社のマニュアルに人材育成の項目というのがあるわけではなく、また育てられるほどの器量がるわけではないので、私は「一緒に成長しよう」と言っています。

【気付き】

脱税まがいでやられる、のはこの冊子などでもよく聞きます。

だから反省して改善が生まれる、というのは塾長も当局とやりあった話がどこかにありましたが、
とことんやりあうとそこで気付けます。気付くと年貢を納めるのかどうするのか悩みますし、
次回あったときにはこうしようという反省もできます。

クレアネットでも去年に税務調査、今年に労働基準監督署の監査ありましたが、
思いもよらない指摘をうけ新しい

【気付き】

を得ることができました。大きな失敗、
大きな反省、大きな挫折、積極的にしたいわけではないのですが、
「あのときに比べれば今は全然まし」
という耐性があることは実に大事な気がします。自分の場合では、司法試験の6回の失敗に、社長の死、従業員の離散、は
大きな大きな耐性の要因になってます。

経営問答 世代交代と設備投資について
宮野 紳一朗〈新潟〉株式会社宮野食品工業所 常務取締役

父は豆を煮るとき、「豆の声を聞け!」と言います。製造のすべてに手を抜かない職人魂で、一つひとつの工程を厳しく職人たちに教えながら仕事をしていました。

宮野さん自身、社長がなぜそういうことを言ったのか、なぜそういう指示を出したのかということを、もっと深く考えなければならない思います。

「ああ、なるほど。社長はそこまで考えてこういうことを言ったのか」ということを自分で反芻しながら勉強をするのです。

「自分たちで考える」ということを放棄していることが問題なのだと思います

【気付き】

スタッフと社長の乖離の話ですが、同じ目線で同じ土俵で考えるのは難しい、
が当たり前と思うべきなんだと思います。

そして「不自由を常と思えば不足無し」徳川家康 の言葉のように、幼少期には人質として今川家にいて不自由な暮らしを
していたように、盛和塾で学びいろんな経営者さんを知ると不自由や自己の不遇を言いたくなるのもわかるのですが、
それが当たり前です。

グーグルやアップルのようなIT企業に就職活動で内定取れば、絶対にクレアネットに来ないのだ、という自分の立場を
わきまえた謙虚な気持ちが大事です。

経営体験発表、その後
井関 新吾〈大阪〉株式会社井関総合経営センター 代表取締役社長

「事業の意義目的を全従業員と共有する」

第三経営委員会の井関さんの塾長とのやりとりです。
学びが本当に多く、とりあえずコピーをスタッフに配り共有しました。

全員参加経営、経営方針の見直し、アメーバ経営、そしてKCCSでのコンサル、などなど。
チームリーダーの育成、利益率35%、経営者と従業員は運命共同体、などなど。

「経営者は人間としてえらいのではなく全従業員の命を預かってリーダーシップを発揮し、
正しく目的に導いていく1つの職能」などもそのとおりです。

引用・気付きではなく全体を通して私自身と井関先生のステージはまだまだ違います、
日々精進して学びます。