[盛和塾] 機関紙マラソン 95号

[盛和塾] 機関紙マラソン 95号

現代の経営者はいかにあるべきか 塾長講話

企業の利益とは、全ての経営幹部と社員の献身的な努力と協力によってつくられたものであるはずです。それを経営トップ一人だけで成し遂げたかのように考え、高額の報酬を一人で得ることなど、あってはならないことです。

必死に経営にあたる中で、自分だけよければいいというエゴ、つまり自らの欲望だけで動くのではなく、従業員、お客様、取引先、そして地域社会など、企業をとりまくすべての存在と調和するような、思いやりの心、利他の心で経営していくことが大切です。

やはり、何をおいても利他が一番強いのです。相手に喜んでもらおうと善意でやったこと、それが結局成功するということは、厳然たる世の原理なのです。

これら企業が生み出した富を、国や地方自治体が集め、再分配することで、現代の経済社会は成り立っています。つまり、企業が存在し、経営者が営々とその活動に努めていかなければ、この経済社会そのものが機能しなくなるのであります。

試算ではありますが、みなさん塾生企業の売上を合算するなら、二十四兆円にも達するといいます。

【気付き】

今回はネクストの井上さんに、日本経営の小池さん、と業種柄と普段から接しているということで、実に深い内容でした。

赤提灯の飲み屋さんなど行くと上司や会社や取引先などの話や仕事話で盛り上がっている光景はよくみます。皮肉の中にも愛情があったり、会話を聞きつつもいい方向にもっていこうとしたり、話の中では結局ねぎらいが必要なのかな、などと思ったりなどなど、結局はみんな仕事で頼られたり活躍したりしたいのだと感じるのです。

最近思うのですが、そういった場所をしっかり会社で作るのも経営で必要なのかなと。縁の下の力持ちではないのですが、そういった精神も利他の精神ではないのかなと思ったりします。

特に創業から少し経つとただのプロダクトではなく、総合的な人材部分で勝ち残る必要があって、会社組織、が差別化要因になってきてることを感じます。いつも京セラさんの強さを冊子読みながら感じますが、ここまで人材が教育されて組織になると、事業を変えても強い、会社の差別化、まだまだですがそういった方向にしないといけないのでは、と感じます。

乾篤之〈香川〉大豊産業 代表取締役社長

長年の恵まれた環境下で、変革を好まず、安逸をむさぼってきた当社の体質の証でした。すべて私の社員への対話不足、教育不足でした。
その後、退職した番頭と退職社員七名が新会社を発足しました。メーカーの社長誘導のもと新会社に駆け寄ったのです。その後、メーカー社長が影で新会社を操っていました。

【気付き】

部下の退職と裏切り、よくあるテーマです。

上司の批判はしたら会社員としてはそこまで、と思ってたので、判断全部の背景理解できなくても、その方向で進むのなら進める方法を考えるのが部下、と今でも思っている分、考えは変わりませんが、そうでもない人を採用し一緒に仕事を行うと結構大変です。

だからこそ苦い経験が強い組織力にもなるのでは、とも思えます。

山田邦雄〈北大阪〉ロート製薬 代表取締役会長兼CEO

ロート製薬といえば目薬や胃腸薬で有名で、日本でも知らない人がいないぐらいです。山田さんもきっと、ぼんぼんだろうと思っていたのですが、会社に入られて最初に手掛けられたのが営業を勉強することでした。

半導体の心臓部にあたる部分のパッケージをすべて、先行して開発することに成功しました。それはまさに技術やでありながら、営業に特化をし、営業の先端にいたからでした。お客さんを訪問し、お客さんが進むべき方向を感知して、それに答えるような商品開発をしていったのです。

【気付き】

ガンバ大阪のスポンサーでもある、あのロート製薬さんです。
営業開発の大切さを話されていますが、気付いたときには大手企業だったのでいろんな話は「へー」という感じでした。

営業最先端だと顧客の声がわかるので、本当にそこから発展性があります。
門前払いなども当たり前ですが、そこから顧客ニーズを探り、商品化したものははずれがありません。ロートさんくらい大きな会社がそういったことをしているとはちょっと驚きでした。

太田清利〈大分〉 ざびえる本舗 代表取締役社長

翌日持ってきた金額は資本金の半分にあたる五百万円でした。特別な縁があるわけでもなく、成功するという何の保障もない私たちに老後の貴重なお金をポンと出してくれました。私は深い感謝の念と同時に必ず成功させてみせると、心に固く誓いました。

なぜ立派な会社にしていきたいかというと、社員の皆さんの生活を守ってあげたいがためです。

しかし正社員が十数名で、あとの六十名がパートというのでは、しょせん自分たちは労働力として使われるだけとなってしまいます。

【気付き】

一緒に会社を創っていく、みこしを一緒に担ぐためにどうするのか、なのですが、パートさんばかりではやっぱりそういった意識はあまり生まれません。

早く正社員化というのはすごくわかります。
肩書きによってだけでも変わります。またいい会社にすること=みんなのため、
と言う意識はいつ生まれるのか、みんなの生活を守るために、だからこそいい会社にする、というのが最近は本当に腑に落ちるので納得です。

江見いづみ〈長野〉 アフリカタロウ 代表取締役

それを職務文書といいますが、この組織はこういう機能をすることを明確に指示して、従業員にやらさなければならないのです。

組織をつくって、それに最小限の人をあてて、そこでは毎日どういうことをするかという職務文章を作ってくれませんかと言うのです。

【気付き】

職務文書、はクレアネットでも明確になっていない部分があります。

まず文書化すると、見えます。

最近だとマネジメント層のトレーニングは必須かと感じます。
当たり前ですが、モチベーション、勤怠に関して、納期、品質、
仕事への姿勢、などは資質もありますが、徐々に教育して身につけさせないと
うまくいきません。

そしてこういった文書を外部の方にもお願いする、大事です。

尾松豪紀〈岐阜〉 メイホーエンジニアリング 代表取締役社長

粗利が三〇%をきることが予想される仕事は稟議を求めています。これにより「売上最大経費最小」の意識が身についてきました。

私の学びは知識のみで実践がともなわず、稲盛哲学を「欲望を実現するためのハウツー」としていたのです。

【気付き】

ハウツーの学びは砂上の楼閣です。

必要なのは実践から経験をして得た学びと気付き。

相当腰を据えてやらないといけなくて、若手で指導ができて、世の中の役に立つという志を持って、高いレベルに引き上げていくぞ、という姿勢や言葉を持っていないと指導もムリだし、吸収も難しいと思います。

自分もまだまだですが、若くてもこのような人材が、立派な指導者になるのだと。

井上高志〈東京〉 ネクスト 代表取締役社長

会社設立から一年ほどは、二人の給料はゼロ。五年間は低空飛行を余儀なくされました。

昼間は営業、帰社してからは明け方までサーバーやシステムと格闘して、二、三時間ほど仮眠を取るという生活でした。一日い二十時間以上、週七日間休みなく一瞬一瞬に可能な限りの時間と能力を仕事につぎ込んでいました。

個人的には、アフリカに小学校を設立するなど貢献活動を進めており、ゆくゆくは塾長のように財団法人を設立して世の中をより良くする活動も行っていきたいと考えています。

【気付き】

ネクストさんは今はトロビット社買収もあって、海外展開も進めています。

井上さんは業界でも有名ですので、改めて読んで最初の頃の大変さに共感しました。関係ないのですが、プロジェクト何かする、とか社内外で聞いたときに
『土日は休み』と聞くと、それだけで成功しないと確信的にみてしまうものなので、最初の低空飛行期間なんて当たり前感があります。

そもそも土日やすみたいなら会社を辞めてはいけないのです。

小池由久〈大阪〉 日本経営 代表取締役会長

社内の不協和音というのは排除しなければ、会社はうまくいかないのです。

業種を特化することによって、われわれ中小零細事務所でもお客様が潰れないご指導に近づけるのではないかと確信しました。そして、医療、福祉、建設という業種に絞り、遠い将来は要請があれば経営代行もできる体制を構築したいと思いました。

現在の寮生は約七十名です。新入社員は一年間強制的に入寮です。
当社の新入社員は、朝七時二十分に出社です。

まや、ご両親には当社の仕事、育成の仕方をご理解いただくために入社式に出席いただきます。入社後一定期間内に家庭訪問し、対話をすると共に、本人が結婚するまで社内報等をご実家に郵送しています。

二十億円弁償の腹をくくったときに、会計事務所、コンサルの利益で償却していくことに難しさを感じ、新たに調剤薬局事業の立ち上げを決断しました。

「顧客の健全な発展を通して正しく社会に貢献する」「社員の真摯な成長を通じて正しく社会に貢献する」

また四人のマネージャーは各自の生産高と、会社の利益配分を重点にした給与体系に切り替えたので、私の給料は会社で八番目に没落しました。

【気付き】

日本経営さんの強さ、人材輩出力を改めて痛感です。
また小池さんの強さ、ご両親にも訪問するなどの部分も。

多くの気付きと得るものが多いので95巻は定期購読リストに入れております。
125号のユニバーサル園芸社森坂さんの回も、定期購読リストなんですが、
今回も同じく。

松井紀潔 MATSUI NURSERY,INC 社長

京セラのアメリカの会社は組合の危機にさらされましたが、フィロソフィで保護した従業員たちがいたために、組合ができることなく、今日を迎えています。

【気付き】

海外で活躍する方の話ですが、組合活動など想像を超えた大変さがあるように思います。うちなどまだまだ。