[盛和塾] 機関紙マラソン 142号

[盛和塾] 機関紙マラソン 142号

塾長講話「不況は成長のチャンス」
五つの方策は次の飛躍への足掛かり

 第一次オイルショックの嵐が全世界を襲った のは、一九七三年十月のことでした。その影響を受け、世界的な不況の波が京セラにも押し寄せ、一九七四年一月に月額二十七億円ほどあった受注金額は、その年の七月には三億円弱にま で激減してしまったのです。

企業の歩みを一本の「竹」の成長になぞらえれば、不況を克服することは一つの「節」がつくられるようなものです。

「不況は成長のチャンス」て と考えることです。企業は不況という逆境を 通じて、さらに大きく発展を遂げていくものなのです。

追い風に乗り、単純に成長していけば、「節」 のない、単調で脆弱な「竹」となっていきます。 一方、数々の不況を克服することでできる、たくさんの「節」は、次の成長への足がかりとなり、 堅固で強靱な構造をつくることにもなります。

社長が第一線で陣頭指揮をとって後ろ姿で教育することが大切であり、そうした「我に続け」 と率先垂範するトップのもとでこそ、真の人材は育つのだと私は考えています。

たとえてみれば経営トップが刀を振りかざしながら、戦闘の最前線に立ち、敵を次々になぎ倒していくそのすさまじい様子を見て、「半端者」たちは竹やりなどの粗末な武器を持って、 後ろから息を切らしながら走ってついてきます。 そのように、体力も装備も不十分ななかで、実戦を通じて戦い方を覚えると同時に、人間的にも成長していくのです。

人材を外部から確保しようとしても、中小企業には世間が言う優秀な人材はなかなか来てくれません。

【気付き】

大きな企業になる前の京セラでの塾長のコメントです。
起業当初や最初の頃は結構こんな勢いの話が多いように思います、ついでに言えば、こういった小冊子になっている時点で多少なりともオブラートな物言いに変わるのが普通なので、そうするともっと過激だったのではと思います。

事業の当初なんていうのはそれが当たり前で、そうしないと成長などするはずがないんです、というのは所感です。白か黒かわからないような部分でぐるんぐるん回さないと事業推進力があるはずない。

人材も優秀な人材がくるはずない、と自覚するところから事業ははじまり。

稲盛和夫経営哲学(中国・瀋陽)報告会  何 華娟

「大切なことの一つが、「運とは運ぶという字と 同じ。人が運んでくれるものです。ただし、謙虚で驕らぬ人にしか運ばれてきません」

勤続年数賞、両親への謝礼、結婚の祝儀、受験の付き添い休暇など従業員の
福利厚生を充実しました。

【気付き】

クレアネットでも勤続年数賞を出すことにしました。
5年の節目に差し掛かったスタッフに、です。
何がいいかはわかりませんが、そういった感謝の意を伝えねぎらい、形にすることは大事なんだろうと、そんな気がしてなりません。
実るほどこうべを垂れる稲穂かな。常に謙虚に。

稲盛和夫経営哲学(中国・瀋陽)報告会  何 華娟

私は自分の会社の行き帰りにあなたの工場の前を通って、あなたたち夫婦を観察 していたのです。私が朝六時に工場の前を通ると、あなたたちはすでに仕事をしているのを目にし、夜九時、遅い時は十時の帰りに工場の横を通ると、まだあなたたちが仕事をしているのを見ました。あなたたちは真面目でよく働き、 進んで仕事をする人だということがよく分かった。

【気付き】

1週間110時間労働、1月400時間。
圧倒的な労働時間は勝てます、勝てないはずがないんです。
成長スピードは倍速になります、労働時間で倍以上なので、それ以上に。

クレアネットの仕事なら、制作を行う速さ、提案力、企画力、
課題抽出力、などなど。そしてそういった行動を周囲は意外なほどみてます。

仕事で上手く行く方法は究極的に言えば
「土日も家で勉強、帰宅後も自分で勉強、やってみて400時間頑張った」
これを3ヶ月で一気に伸びます。

自分の経験元に話すのは再現性ないのですが、急成長した人はみんなそれくらいの努力はしてるような気もします。

株式会社THINKフィットネス  代表取締役 手塚 栄司

少しずつ会社が良くなり、成長する手ごた えも感じることができたものの、社員の増加とともに、新たな問題が発生しました。売上金 のごまかしや
、現金の着服、商品の横流し、カ ラ出張での経費の着服などです。また会社の方 針を意図的に変えて伝え、社内に混乱を来すこともありました。

盛和塾に入って決定的に変わったことは、以前と比べて圧倒的に「譲る」ことと「許す」ことができるようになってきたことです。若いころは常に相手と競ったり、闘ったりする性格でした。

【気付き】

クレアネットの代表私も同じ感覚はあります。
社内でもいろいろを越えてくると許容範囲も広くなりますし、
そして期待して任せると意外なほどやり遂げてくれることもあります。

結局教育は「社長の想いをくみとり実行できるため」に教育を行うのであり、
その結果として企業成長や会社成長、顧客満足になります。
この辺の感覚がわかると、すぐに譲りますし譲れます。手柄も祝福も全部お渡ししたいです。

髙美 時郎 〈北大阪〉 浜理薬品工業株式会社 代表取締役社長

私の気持ちは固まっていましたし、 私の母も妻も会社を辞めることに賛成してい ました。しかし、この嘆願書を読み「こうなったら、引き下がれない」という思いになり、父 の了承を得て、ヒラの取締役として会社に残ることになりました。

【気付き】

お父さんとの関係で大変な時期があった部分、言葉に詰まりました。
2代目の方の苦悩。

いつも阪急電車でみえるあの工場の浜理薬品工業さんがそうだったなんて。
天六から移動のたびに今後離れません。

東群運送株式会社 代表取締役 齋藤 佳代子

「こんな規模の会社でそんな偽善者ぶったことをしても」と言う社員もいましたがそういう人たちがだんだん辞めていって、「掃除をしよう」と私が言うと、研修よりも喜ん で出てくれる社員も増えてきました。

若い社員ほど新しいトラックに乗りたがりますが、ベテラン社員は違います。
「昔に比べたら、今のうちのトラックなんか贅沢だよ」と 言い、トラックを大切にしてくれます。

若い社員が先輩の仕事を見て、先輩のようになりたいと言ってくれるのもうれしいことです。

若い社員が自分の目標として「先輩のフォークリフトの仕事ぶりを見て、あのレベルに追いつきたい」と書いてくれました。

【気付き】

社風の話を引用しました。

どんどんよくなる社風やみんなの関係性です、まさにフィロソフィの浸透だと思います。

ちなみに、江売時代の寺子屋では、素読が徹底的に行われていたそうですが、本を繰り返し声に出して練習する素読は、その時点ではまだ意味は理解していないそうです。

非効率的な学習法に思われますが、目的は文章を体に染み込ませ覚えさせることが大事だそうで、本を目で見て、師範の読み上げる文を耳で聞き、それを繰り返し声に出すことで、また自分の耳から音が入りまそこに言葉の音やリズムが加わり、自然と深く体に染み込んでいくそうです。

声に出すことで記憶もありますし、読みあわせだけでも実は効果があるんですというのを脳のメカニズムから言っていて、すごく納得しました。