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こんにちはおだです。

2011年3月に起きた東日本大震災の現状の復興を知るため
東北研修にいってきました。

行先は宮城県の七ヶ浜町。

 

人口約2万人の小さな町です。

この町は自分が2012年、2013年とボランティア活動を行った場所であり
復興の具合を知るには相応しい場所です。

町役場の震災復興課の方や
七ヶ浜に滞在するNPO法人の方とお話しする機会があり

「復興の前進」「被害の拡大」の両面について深く触れることができました。

【復興の前進】
農地や建物などハード面の復興が進んでいました。
 
2013年の様子

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初めて訪れたときは瓦礫の撤去を手伝い
1年後に同じ場所で同じ作業を行いました。
海水が浸かった影響で生物の気配を全然感じなかったことを覚えています。

 

2018年の様子

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撤去作業を行った場所では作物が育ち、地元の野菜として
お店に出すことができるようです。

防風林として植えられていた松の木は
大半が津波の影響で折れるか塩害のため切られていたのですが

たくさんの若い松が植樹されていました。
堤防も新たに作られ
海水浴場も昨年から開かれて
海岸では海の家を準備していました。
行政が復興計画を立てて着実に前進しています。

 

【被害の拡大】
地元を津波で壊された人々の心はまだ上向きになれていません。

七ヶ浜という町は七つの浜があることから名付けられた町です。
それぞれの浜に特色があり
それぞれの浜に住む人たちには誇りや絆が存在します。
「町」は一つですが、
その中には地域ごとのコミュニティが存在していたのです。
ですが震災で自分の家を奪われ、住む場所を変えざるを得なくなったことで
心の支えであったコミュニティが奪われてしまいました。

ボランティアがたくさん来ていた頃は
その寂しさを一時忘れることが出来ていたのですが
「祭りが終わって解散したときの寂しさ」のごとく
今は心にぽっかりと穴が開き

「どうしてあの時、私だけ生きているのだろう」

と自分を責めて
外部の人との交流を避ける人が増えているようです。

今は様々な災害復興経験を持つNPO団体の方が心のケアにあたっています。

 
【七ヶ浜を訪れておもうこと】
災害の復興を携わる人は大きく3つに分けられると思っています。

・NPOなどを含めたボランティア団体
・行政
・地元民

この中で先頭に立って行動に移すべき人は地元民です

『自分達の町を復興させたい』

このモチベーションこそが未来へ町を残すために最も必要な力です。

ですが
地元民の心は少しずつ下降線を辿ってしまっています

それは自分達が『今』を生きるのに必死で
未来を描くまでの想像力が働かせられていないからだと思います。
同じような津波の被害を受けないために堤防は必要です。
ですが高さが10メートルもあるコンクリートの壁を作ったために
そこに住む人たちは
毎日車を走らせながら見ていた海が見えなくなり悲しみを抱いています。
いつもいつも遊んでいた自然の場所に人工物が立っていることに悲しみを抱いています。

「復興に携われるのは生き延びた人達だけだ」

という言葉と

「目先の結果を重視している」

という言葉の間にジレンマを覚えました。
 
【終わりに】

復興は前に進んでいます。
ですがまだ道半ばなのが現状だと思います。

それぞれが最善の努力をしています。
それぞれの行動が正しいと思います。
ただそれでも解決しきれない課題があります。

これは七ヶ浜という町の話だけではきっとないはずです。
災害を経験した場所で必ず起きていることだと思います。
これから災害が起きる場所でも経験することだと思います。
自分達にできることはその体験を学び、考え、次に活かしたい。
個人的な意見を一つ述べるとすると
一人ひとりに大小関係なく小さな夢や目標をもつことが
心を上向きにできるのではないかと思っています。

1人で寂しい想いをしていたら
その人と会い、話をして
また会う約束をする

「また明日来るから!」

それだけでその人は明日生きる希望が生まれます。

一日先の未来を描く
三日先の未来を描く
一週間先の未来を描く

そんな小さなことをコツコツ続けることが
町の未来を描くための想像力を生みだし
そこに住む人たちが本当に喜べる『福興』ができるのではないかと思います。

そう願ってまたいつか七ヶ浜に足を運ぶことを約束します

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