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人間の心理や行動をよく研究しているコンビニのレイアウトの話

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SEOマーケティングの未来を読む~クレアネット通信vol.120
 『人間の心理や行動をよく研究しているコンビニのレイアウトの話』

【1】新人や新しいスタッフが入ってくる4月

4月なのですが、採用シーズン、新入社員シーズンで、今年もあのヨドバシカメラの人事ブログの山下さんがとあるブログで取り上げられてました。

 >> ヨドバシカメラの人事ブログの山下さん
 
山下さんの文章は染みます、リクルートスーツ着た学生さんでない、採用側の面接する側の立場の人間にも染みます。
人生決まる、この瞬間で決まるんだ!くらいに採用活動は意気込んでいるんだから、採用側も経験や考えや武器を身につけて合わないといけないんです。特に人事は。その中で縁あって来てもらったスタッフには感謝、縁が良縁に広がることがいいですね。明るい4月。

【2】WEBマーケティング4コマ漫画

■ 第145話
仕事の大変さ
4月は新入社員が入ってきて仕事に頑張っている季節ではないでしょうか・・。仕事の内容もいろいろありますね。

■ 第144話
マーケティング用語の『KPI』
マーケティング用語の『KPI』って知ってますか?マーケティング用語は覚えづらいんですよね。さて今回呉くんは・・

【3】人間の心理や行動をよく研究しているコンビニのレイアウトの話

人間の心理や行動をよく研究しているコンビニのレイアウトの話。
よく利用する人なら毎日、そうでない人でも週に1度は、コンビニエンスストアを利用していると思います。何気なくコンビニに立ち寄り、何気なくパンや飲み物を手に取り、雑誌を読んでみたりして、その結果、商品を購入していますよね。

こういった普段の何気ない行動も、実はコンビニ側にそうなるように誘導されているのかもしれません。どのコンビニのレイアウトも似ていますよね。

それは、狭い店舗面積を最大限に有効活用しようとコンビニ側がお客様の行動を徹底的に研究し、行動心理学を駆使した結果、そうなっているようです。

今回のメルマガでは、人間の心理を研究して生み出されたコンビニのレイアウトの話を取り上げてみます。

※ 昔セブンイレブンでバイトしていたからあげているわけでありません。

工夫されているコンビニの店内レイアウト

たくさんの商品が並んでいるコンビニの店内。

どのコンビニでも、商品のレイアウトや並べ方には、ある程度の似た傾向がありますよね。お客様にいかにたくさん商品を買ってもらうかを考え続けて辿り着いたセオリーがあるからです。

言うまでもありませんが「客数×客単価」が一般的な売上となります。ですので、売上を上げるためには、客数と客単価を上げる必要があります。客単価を上げるために、店内に入って来たお客様に1品でも多く商品を買ってもらっては、どうすればよいのでしょうか。

それにはお客様に「店内をできるだけ多く歩いてもらうこと」が必要です。たくさん歩いてもらえば歩いてもらう程、お客様が商品を買ってくれる可能性が高くなりますからね。

そこでコンビニは、お客様の歩く距離を長くするために、お客様がよく買う商品を店内の端に陳列しています。例えば、お弁当のコーナーは必ずと言っていいほど、お店の一番奥にあるはずです。これも、お客様に出来るだけ店内を歩いてもらうためです。

また、入口から入って雑誌コーナーへ、弁当やおにぎりのコーナー、それから飲み物のコーナー、そして最後にレジへ……と流れる様にコンビニ側はうまい具合に陳列棚を配置しています。
これも人の動きに着目してレイアウトした結果だそうです。

「立ち見の法則」

大抵のコンビニの雑誌コーナーは、外から見える窓際の、店内に入ってすぐの場所にありますよね。これには2つの理由があるそうです。

1つは、他の人に雑誌を立ち読みさせることで、外から見ている人に店内に他にも人がいる印象を与え、入りやすいお店と認識させること。
もう1つは、店内に入って最初に目が行く場所に雑誌コーナーを置くことで、店内まで入ってきてもらおうという狙いがあるためです。
雑誌を立ち読みする人は多いですよね。雑誌を立ち読みするためにコンビニに行き、そのついでに立ち寄ったコンビニで商品を買う人も多いでしょう。こういった雑誌の持つ高い集客効果を利用しているのです。

「エンド」を効果的に利用するコンビニ

壁際ではない店内の中央周辺の陳列スペースの両端のことをエンドといいます。

ここはお客様の目に留まりやすい場所であり、また衝動買いが発生しやすいエリアですので、各店舗が様々な工夫を凝らしています。特に注目される場所であることから、情報発信によく使われています。キャンペーンの告知や、店が売りたいと思っている主力商品のアピールなど、お客様に伝えたいメッセージをここから発信しています。

効果的にこのメッセージを伝えることができれば、お客様の消費欲求や購入意欲を高めることができますし「いつも新しい商品がある」「面白いキャンペーンをよくやっている店」というイメージを与え、また店に来るようになってくれます。

ちなみに、特に衝動買いの発生しやすいエンドが「レジの向かいにあるエンド」と「出入り口に一番近いエンド」です。このエンドを見ることで、そのコンビニが何に力を入れたいか、その店をよく利用するお客様の層はどういう人達なのか、というものが見えてきます。

また、衝動買いに対して、コレが買いたい!という目的の商品を買うことを目的買いと言います。「とりあえずコンビニで何か買うか」というようなお客様が、店内を隅々まで見て回ることはありません。

大抵壁伝いに移動し、そこで目についた物を手に取りレジに向かうため、店の中央周辺の陳列棚を見ることはほとんどありません。そのため、衝動買いを期待することもできません。
ですので、そういったエリアには、衝動買いは発生しにくいが目的買いは発生しやすい商品、具体的に言えば、日用品や調味料といった商品を陳列するようにしているそうです。

「「お隣の法則」と「振り返りの法則」

関連製品を近くに並べると、思わずその商品もついでに買ってしまう。

このついで買いを利用して商品をレイアウトすることを「お隣の法則」「振り返りの法則」と言うそうです。
例えば、ビールの隣にはおつまみコーナーがあったり、パンのコーナーの通路を挟んだ向かい側には飲み物のコーナーになっていたりしますよね。

こういうレイアウトになっていれば、ビールを選ぶついでにおつまみも見るようになりますし、パンを選び終わって振り返ると飲み物のコーナーが目に入るようになります。こうしてお客様のついで買いを狙っているのですね。

このことを知ってからコンビニのレイアウトを注意深く見てみると、大抵のコンビニでは本当にパンのコーナーの後ろは飲み物のコーナーになっていることがわかります。

「ゴールデンラインの法則」

コンビニに限らずどの店舗でも言えることですが、同じ商品でも店内の置く場所によってよく売れたり、まったく売れなかったりします。ですので、店側が売りたい商品は売れる場所に置きます。

日本人の平均の目の高さが約140cm、見る角度が下10度という事を考えれば、最も目につきやすいのは、床から約135cm前後の高さということになります。商品が見やすい高さになる陳列棚のこの場所を「ゴールデンライン」と言い、それを利用した商品の陳列を「ゴールデンラインの法則」と言うそうです。(店や業界によっては呼び方が変わり他にも「ゴールデンゾーン」「ホットスポット」「ホットゾーン」とも言われているようです)

ですので、コンビニ側が力を入れたい主力商品はゴールデンライン内に陳列し、それ以外の商品はゴールデンラインの上か下に陳列するようになっています。

人を引きつける「照明の力」

照明を使うことで夜の店内を昼間より明るくしているコンビニが多いですよね。

コンビニが夜でもあんなに明るくしている理由をご存知でしょうか?これは、人間は明るいものに引かれるという性質を利用しているからだそうです。

誰だって、薄暗い店内より明るい店内の方が入りやすいですし、夜でもあれだけ店内を明るくしていれば、その明かりで近くを通りがかったほとんどの人はコンビニがあることに気が付きます。そのためフラッとお店に入る人も多いのでしょう。

コンビニの蛍光灯は入り口側の窓ガラスと平行に取り付けられています。実はこれも、店内の光を少しでも多く店の外に届かせるためにやっているそうです。人間は明るいものに引かれるという性質を利用しているのは、コンビニだけではありません。

たとえば、家電量販店などの照明コーナーも、店の入り口付近ではなく奥側に設けられているそうです。照明コーナーを奥に設置すれば、お客様が店の奥まで入ってくることが多くなり、歩く距離も増え、店内の他の商品を目にする機会も増え売上が増えるそうです。

コンビニが夜でも明るいということは当たり前のこととして知っていましたが、家電量販店の照明コーナーが奥にあるということには言われるまで気づきませんでした。利用したことのある家電量販店を思い返してみれば、確かにそのようになっています。
知らないところでコンビニ以外の企業でも、色々な努力をしていることに気付かされました。

レジ前に和菓子がおいてある不思議

コンビニのみならず、小売業になら大抵当てはまる原則ですが、店舗で一番売れる場所は「レジカウンター周辺」です。買う商品を決め、レジに並ぼうとすると、レジの近くに安いものが置いてあって、ついついその商品もついでに衝動買いしてしまう……という経験は誰でも見に覚えのあることと思います。

この考え方からすれば、レジカウンターの周辺には、コンビニ側が売りたい商品や、衝動買いされやすい商品が置かれるはずですよね。

ところが、コンビニの中には、なぜかそのよく売れるはずのレジカウンター周辺に「和菓子」を置いてある店が結構あったりします。

コンビニを利用するメイン層は、あまり和菓子を買いそうにないですよね。和菓子を購入することが多いのは、高齢者です。レジカウンターに和菓子を置く理由は、コンビニの客層を広げるために、高齢者をターゲットにしているからだそうです。
高齢者が来店した時にすぐに見つけられるように目立つ場所であるレジカウンターに置いてあるのです。メインの層に売れないからといって、店内の目立たない場所に置いていたのでは、欲しい商品がないと思われて高齢者は二度と来てくれないかもしれませんからね。

これからの日本の高齢化社会を考えれば、こうした高齢者に配慮した店作りが欠かせないのでしょう。

まとめ

なんとか一品でも多くの商品を買ってもらおうと、コンビニ側は我々の行動や心理を研究し、その結果を店内のレイアウトや商品の陳列に応用しています。このように言われると、思惑通りに操られているような不安を感じたり、不愉快な気持ちになったりする人もいるかもしれません。

しかしそれは、コンビニが当然行うべき企業努力であり、その努力の賜物だと思います。コンビニを身近なよいお手本として、サイトの構成やインターネット広告の場所など、そこから自分の仕事にも当然ですが活きています。

人が考え、人が行動する、行動心理学はコンビニも、クリックやスワイプする人も同じ原理原則なので。操られるのが悪いとは言いませんが、操る側にもならなければいけない立場ですからね。

特にものを作って使ってもらって満足してもらう側は。だからここまで他業種コンビニを深掘りするわけです。

ネットのいろんな行動原理原則、知りたい場合やサイトに活用したい場合はぜひご相談を!

記載:クレアネット谷

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