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スターバックス&TSUTAYAのカフェで、TSUTAYAも儲かる理由とは?

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SEOマーケティングの未来を読む~クレアネット通信vol.115
 『スターバックス&TSUTAYAのカフェで、TSUTAYAも儲かる理由とは?』

【1】インターン企画のランチマップ

飯は美味いほうがいい。

というわけで、ランチマップを作成することにしました。この南森町・西天満・天神橋筋商店街界隈は美味しいご飯屋さんが 多いので、ランチなどの勝手なおすすめマップを作成することに。

タクシーの運転手さんが薦める飯屋は必ずうまい、 という勝手な格言を持ってます。情報を知り得たタクシーの運転手さんなので、そりゃいろいろ知ってるはず、 という流れですが、そういった地元の会社が知ってる穴場をお知らせするような マップにしたいなと。ただ目線はあくまで「ビジネス」よりで。

いい飯=いい仕事。

「ばっちり仕事ができるぜ」 飯的なものにしていこうと思っております
南森町・西天満・天神橋筋商店街の美味しい ランチをまとめまくっていきます。

研修生企画: 南森町美味しいランチまとめ

【2】スターバックス&TSUTAYAのカフェで、TSUTAYAも儲かる理由とは?

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コーヒーの香りを楽しみながら、新しい本をゆっくり試し読み。そんなカフェと書店が融合した店舗が、都心を中心にして最近目立つようになりました。中でも、全国展開していて、誰もが知っていて、若者を中心に人気があって、日本で一番のシェアを誇るコーヒーショップであるスターバックスと、レンタル事業で有名なTSUTAYAが一緒になった 「Book & Cafe」が特に有名です。

全国にある「Book & Cafe」では、スターバックス でドリンクを買えば、併設されたTSUTAYAにある本を 持ってきて読むことができます。読んだ本を購入する義務もありません。この「Book & Cafe」という、スターバックスと TSUTAYAが一つになった店舗は非常に人気が高く、 連日多くの人で賑わっています。今回のメルマガは、スターバックスでTSUTAYAにある新品の 本を自由に読んでいいという新しいサービスについて調べ、感想を述べてみたいと思います。

「Book & Cafe」というサービスの当然の疑問

TSUTAYAにある本を自由に選んで、おしゃれで落ち着いた スターバックスという空間に持っていって、ゆっくり読むことができる。確かに、集客力はすごいと思います。

本好きな人は言うまでもなく、そうでない人でも利用 してみたいと思う人は多いのではないでしょうか。でも、ここで当然の疑問が湧いてきますよね。スターバックスでドリンクを買っても、TSUTAYAの本を 読むだけ読んで結局買わない人も多いと思います。と言うより、利用する客の大半はそういう人間なのではないでしょうか。

また、せっかくの新刊も飲食されながら読まれたのでは汚れ てしまう危険性がありますし、そんな汚れているかもしれない 回し読みされた本や雑誌を、キレイ好きの日本人が喜んで 買うとも思えませんよね。
スターバックス側には集客力が上がるというメリットが あるとしても、図書館扱いされるだけのTSUTAYA側のメリット はなんなのでしょうか。どう考えても得をするのはスターバックスばかりで、 TSUTAYAは儲からないのでは……と疑問に思いますよね。実際、TSUTAYA側はどうやって経営を成り立たせているのでしょうか。

たとえ本を買ってもらえなくてもTSUTAYAが儲かる仕組み

実を言うと、スターバックスでコーヒーを飲んだ客がTSUTAYAの本 を買わずに帰ってしまっても、スターバックスだけでなくちゃんと TSUTAYAも儲かる仕組みになっています。
TSUTAYAにあるスターバックスは直営店ではなく、TSUTAYAを展開 するカルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社がスターバックス とライセンス契約を結んで運営しているのです。

スターバックスがライセンス契約を結んでいるのは、カルチュア・ コンビニエンス・クラブ株式会社だけではありません。スターバックスは、駅や空港、企業にもありますし、 驚くことに病院にまであったりします。

ちなみに、駅にあるスターバックスはJR東海パッセンジャーズと、 空港にあるスターバックスは全日空商事と、企業や病院は エームサービスとライセンス契約を結んでいるそうです。

要するに、TSUTAYAにあるスターバックスを運営しているのは、TSUTAYA自身なのです。スターバックスでコーヒーが売れれば、それはTSUTAYAの収入にもなるわけです。こうしたカフェと書店を癒合させた店を作る場合、カフェ側 は内装やブランドコンセプトに関して要求を出し、書店側は それを守る、というケースが多いようです。カフェは雰囲気が大事なので、これは当然と言えるかもしれませんね。

スターバックスとTSUTAYAの関係

繰り返しになりますが、スターバックスを展開するスターバックス コーヒー ジャパン株式会社と、TSUTAYAを展開するカルチュア・ コンビニエンス・クラブ株式会社は、カフェと書店を融合させる というコンセプトの「BookCafe」の店舗展開について業務提携しています。カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社の代表取締役社長、 増田宗昭はこうコメントしています。

「TSUTAYAは、本やDVDやCDやGAMEといったライフスタイルが詰まった パッケージメディア通じて、お客様に『生活提案』する店舗を 目指してきました」

「今回、スターバックス コーヒー ジャパン株式会社との ライセンス契約締結によって、コーヒーの香りを楽しみながら 本を選んだり、買った本をその場でコーヒーを飲みながら 読むことができる『Book&Cafeというスタイルそのもの』 を提供できる店舗展開を両者で協力して推進してまいります」今までにあまり見られなかったライフスタイルそのものの提供を、 カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社とスターバックス とで推進していきたいというわけですね。

スターバックスと、そのライセンス事業の仕組み

スターバックスは世界30ヶ国に展開されているワールドワイドな 企業で、日本でもすでに1000店舗以上あります。展開した当初はすべて直営店だったのですが、現在ではライセンス 事業を開始し、大々的にチェーン展開しています。
スターバックスの店舗数が多いということは、それだけ成功する ケースが多いということです。スターバックスの本社は、アメリカ合衆国ワシントン州 シアトル州にあります。

アメリカのサービス企業ということもあって、経営方針から 実際の店舗運営までマニュアル化されているそうです。

こういったマニュアルの存在が、ライセンス事業での成功 の鍵のようです。ちなみに、1996年に銀座に日本第一号店「銀座松屋通り店」 が開店したスターバックスは、現在では「ある県」を除いて 日本全国にあり、店舗数は1,042軒と人口10万人あたり0.82軒 という高い数字になっています。最も多いのは、予想通り東京都で2.05軒。2位は意外なことに沖縄県で1.27軒だそうです。

分布地図を見ると、スターバックスは家賃が高い地域や マクドナルドの多い地域に多く、高齢者が多い地域に少ない という傾向があるそうです。そして、先ほど述べたスターバックスのない「ある県」 とは鳥取県のことです。スターバックスのない唯一の県だった鳥取県でしたが、 2015年初夏にはJR鳥取駅の南側にスターバックスがオープンする ことが決定し、ちょっとした話題になったりしています。

「Book & Cafe」の経営の秘訣は書店特有の「委託販売制」

また、スターバックスでコーヒーを飲んだ客が、TSUTAYAの本 を読むだけ読んで買わずに帰ってしまってもTSUTAYAが儲かる 秘密は、ライセンス契約だけでなく、書店に特有の「委託販売制 (新刊委託)」という特殊な制度を利用していることがあげられます。この制度は、簡単に言うと、小売店が出版社の代理となって商品 を販売する契約のことで、「売れ残った書籍は一定期間後に返品できる」 という決まりがあります。

この制度のおかげで、書店は売れるかどうかもわからない新刊本で も店頭で大量に販売することができますし、需要の少ない専門書でも 店頭に置くことができます。
この制度のお陰で、我々は書店に行けば様々な本を手にとって中身 を確認することができるのです。

また、書店側は売れなかった本を返品することができるように なっているので、在庫として抱え込むこともなく、実質的な 仕入れは売上分だけで済みます。
発送の転換で、この制度を利用しているのが「Book & Cafe」なんですね。

カフェと併設された書店側が、店頭に並べた本や雑誌が読むだけで 買ってもらえず図書館の本のように扱われたとしても、返品すれば いいだけですので本や雑誌の仕入費用が痛手にはならないのです。書店を運営する維持費はかかりますが、実質的な仕入れは売上分だけ で済むというのは大きなメリットです。

今回の話題から少しそれますが、どれくらいの本が返本されているのか というと、年や本の種類によって違いはあるものの、日本ではおおよそ約4割だそうです。そして、委託販売の対義語は「買切販売」といいます。

図鑑などの一部の本は買切にされており、岩波書店などのように一部の 出版社は買い切りを原則にしているところもあります。この制度には弊害もあって、たとえ本が実際に売れなかったとしても、 出版社は本を出荷した時点でその分の支払いは受け取れるので、目先の 収益を確保するために本を粗製濫造し書店に大量に送り込む、という ことも行われているようです。

市場縮小に悩むTSUTAYA

TSUTAYAのカルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社は、 なぜ今まで行っていなかった書店とカフェの融合を目指したのでしょうか。TSUTAYAと言えばレンタル事業ですが、GEOなどの強力な ライバルと価格競争しなければならない上に、インターネット での動画配信サービスやDVDレンタルによって、これらの市場 はどんどん縮小しています。書店とカフェの融合には、頭打ちになってしまったレンタル 事業からの脱却を図りたいという意図もあるのだと言われています。

まとめ

カフェと書店を複合させた「Book & Cafe」は、本が好きな 自分としても利用してみたいと思いますし、全国どこにでも 展開しているスターバックスとのライセンス契約というところ に興味がわき、ビジネスモデルとしても注目して いきたいと思っています。しかし、こういった「新しいライフスタイル」そのものを 提供するという試みは、非常に興味を惹かれますし、魅力を感じますね。いつかは手がけてみたいと思います。

記載:クレアネット谷

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(次回につづく)

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