海賊と呼ばれた男

百田さんの海賊と呼ばれた男。これも面白い、出光さんが主役の内容ですが実はマンガも出てます。
一代で戦争を乗り切りそのまま油を通じて商売を広げ今の出光を作り上げた方のストーリーなので、非常に面白いのですが、この中で出てくる商人像というものが納得です。

商人が存在しているのは、何故なのか?生産者と消費者をつなぐためでもあるのですが、そこにあるのは工程を経た搾取だけではなく、消費者と生産者が複雑になる中で必要なものを提供できるだけの価値を与えるからこそ、そこに商人の存在意義があると考える、という話です。

なので商人が自己否定するならば、ただの搾取になっている場合には自己否定すべきである。いないほうが社会にとって有益であって、みなが平和なのである、的な発想です。「いないほうがいいことだし、活躍する世の中はいい世の中ではない」という自衛隊の話をした吉田内閣のような発想に近いかもしれません。そんな哲学にも繋がる発想をしていて本の中にも出てきますが、今のようなネットで直販できる世の中でもスーパーやコンビニはその価値葉少なくなるどころかどんどん大きくなっています。

戦争中に戦後の活躍はすごいと純粋に感じますが、この本がしっかりと「経済小説」だからこそ、やっぱり面白い印象があるのかと思います。経済はお金だけではありません、生きて仕事すること、消費すること全てが経済活動だからこそこの本が面白い気がします。やっぱり百田さんの書く本は面白いです。ついでにマンガも今やってますがこっちも面白い。

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