先代が亡くなったから

『創業の先代が亡くなったから新しく改革しないといけないので、広報やwebなどを有効に活用したいんだ。今時企業間取引でも当然のようWEB使っているのにうちのサイトは何か10年前のデザインのままずっと放置している。先代がいたときにはよかったけど今はそうはいかない』
『WEBのマーケティングにも積極的に取り組みたい。当然新しい事業や分野にも取り組んでいかないといけない、生き残りをかけて必死にできることは全部やっていく気持ちでいかないと』
『新しく社員として営業担当が来週から来ることになりました。そのスタッフと一緒に営業周りをしてフォローや仕事の引き合いを取ってきます』

すごくたのもしい言葉がどんどんと口から出てきて、大変な状況は外からみていても十分わかるのに気丈に振舞う方でした。積極的に取り組みその中で何か必ずうまくいくだろうなと思ってましたし、会社全体で先代の影響自体が取引先に大きいのがわかっていたので必死に挽回しようとまとまっていたのが本当に忘れられません。

その後、会社はやはり先代の影響があったのかしんどい時期が続き、退職者も多く出て売上も減少していたようで、威勢のいい言葉もあまり聞かれなくなってきたと思えば恨み節やスタッフへの不満が出るように。名刺を整理していたら偶然にもその名刺が、あのときのいろんな想い出が出てきます。企業のトップはいつも元気な方多いですが、自ら燃えないと周りは燃えないので水かけられようが氷水かかろうが燃えておかないとあかんので、恨み節が出てくると先が不安にこちらもなってくるものです。

かなり熱い営業の本を読んだのですが、営業は必ずうまくいく強い信念が必要、とのこと。「経営は強い意志で決まる」経営の原点12か条と同じ、必ずうまくいく、そのための準備も努力も行った、あとはやるだけだ、と考えることができれば、必ずうまくいきます。

100%のうち99%死んでも1%あれば復活はできる、と思いますが、今は空き家になったその会社を自転車で通るといつも胸がぎゅっと詰まります。明日は我が身、さて気落ちしたときはマラソン、マラソン。強靭な精神は強靭な身体から。それと、燃える気持ちの根源は何なんでしょうか?自分のため、私心のため、お金のためならとっくにポキポキに折れてもいいのでしょうが、先代のため、社員のため、家族のため、地域のため、いろんな自分ではない誰かが出てきます。

「何のために働くのか」というSBIホールディングスの北尾さんの本を読みましたが、それに付け加えて「誰のために働くのか」というのもしっかり考えて答えを出すといいですね。前にワールドカップで予選突破できず選手の敗戦コメントなどが発表されてましたが、そのときに長友選手が残念だが自分たちの力不足であることの言及をしていましたが、話がザッケローニ監督やスタッフの話になったときに男泣きになって、その長友選手をスタッフさんが慰める場面がありました。

勝てない悔しさは自分の努力でカバーできます、ただ、試合に勝って自分を信頼して試合で使ってくれた監督に勝利をプレゼントして恩を返したかったのにそれができなかったことに長友選手は泣いていたのだと思います。自分のプレーなら努力を重ねればいい、けど、ザッケローニ監督にはもう恩を返せないんです、それを言葉にしようとしたときに自然に涙がこぼれたのだと思います。自分のため、日本のため、試合に臨んだのは当然、あとは恩師に受けた恩を返したいが叶わなかった、だから悲しかった。

私も気付かないうちにいろんな人に受けた恩をそろそろ返していく年齢になってきました、何のためにというよりも誰かのために、自分のためというよりも、家族のため、スタッフのため、お客さんのため、地域のため、そして業界のため、国家のため、自分ではないいろんな人のために、今日もできることをコツコツ仕事です。

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