サッカーは戦争を超える~1914クリスマス休戦

日本がロシアワールドカップ出場を決め、シュートを決めたガンバの井手口選手は正に時の人っぽくなってますが、井手口選手は三兄弟の一番下だそうで、そうなると遠藤三兄弟(ヤットが一番下)、宇佐美三兄弟(元ガンバの宇佐美が一番下)、など三兄弟の一番下はお兄ちゃん世代と揉まれるので、サッカーしてても兄の友達とかと一緒にやる分うまいんです。

プロ野球選手のホームラン王でも長男と次男だと次男のほうが多いと言うのをどこかで見ましたが、兄の影響で兄と一緒にレベル高いプレーしてるとそりゃ目線も上がり上手になるのは当たり前のように感じますし、スポーツ選手全般で言ってもサッカー選手で言ってもそういった選手が多いように思います。何となくですが。そのロシアワールドカップもあわせてずっと予選見て応援してきているのですが、監督のハリルホジッチ監督の手腕はすごくいいものなんじゃないかと感じています、もちろん素人目線ではありますが。

今回はそんな話をしてみたいと思います。

ハリルホジッチさんはユーゴスラビアの解体およびボスニア・ヘルツェゴビナの紛争で銃で撃たれ大きな怪我をしています。そして家族ともども国家を離れフランスに移り監督を行い、今は日本の地で監督をしているという経験を持っているそうなのですが、その苦い経験や想いに関して非常に日本にも親和性を感じているのではないかと思うのです。

ハリル監督の手腕ですが相手に対してどのような戦略を行うのか、という極めて実務的な戦略家であるのでメンバーを相手によって頻繁に変更します、横綱相撲を行うのではなく相手によっては猫だましでもやって先手を取るぞということまでする、感覚なんです。そしてコミュニケーションを多く行い、ビジョンや理念を浸透させることに長けていてまた熱心であること、など戦うチームのメンバーへの強い配慮なども多くあります。何より、フットボールへの情熱が凄まじいものでこのあたりが代表チーム全体に浸透しつつあるのかな、と感じる部分です。

ハリル監督は広島の原爆ドームを訪問し戦争の悲惨さを母国となぞらえて感じ、熊本震災時には熊本に被災地訪問したそうですが、その際にも母国が戦争で焼け野原になってしまったことなどとあわせて、被災地の子供たちへのエールやその辛いときを救えるのがサッカーだと義捐金など積極的に活動されていたと言う話を読みました。東北震災に関しては放射線など怖いから帰国するような選手もいましたし、それをどうだとはいえませんが、そんなときに最も辛く苦しむのがやっぱり子供たちです。

何かあったときや辛いときにともにボールを通じてサッカーを行ったりするだけで笑顔が戻ります。
年も国籍も性別も、ポジションも信条も身長も体重も関係なく一緒に楽しめるスポーツこそサッカーのいいところ。
ゴールも空き缶を2つ並べてその間をゴールにすればいいんです。

サッカーを通じてみんなが笑顔に。ハリル監督にはひどい体験からの影響なのか、サッカーを行えることやサッカーを通じて関わる人への尊敬や敬意がすごく感じられます、相手チームへの敬意も意地悪な質問をするプレスに対しても。


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有名なドイツとイングランドの試合、3-2でドイツが勝利したそうですが、これは両国の対戦成績にはカウントしてない、そうです。
1914年第一次世界大戦のクリスマス休戦、戦争真っ只中で偶然にも行われたクリスマスでのサッカーの試合。クリスマスに国家は関係ない、またサッカーは国の戦争を超えます、サッカーしている間は独裁者も楽しみたいので戦争は起こらないんです。また、兵士も試合を見たいんです、サッカーは平和を作ります。

>> 1914年に起こった奇跡。素敵だけど悲しいクリスマス休戦。


■ 字幕もありました クリスマス休戦でサッカー

ハリル監督ならもちろん知っているだろう有名な話ですが、ヨーロッパ選手権で優勝したポルトガルチームに対してハリル監督が賞賛と敬意を払ったのですが、「ポルトガルは素晴らしく優勝チームにふさわしいが、こういった素晴らしい大会を運営してくれたサポートするみなさん、そしてサッカーに関わる全ての人が勝利者だ」(多少意訳あり)というのは真実だと思います。

サッカーの素晴らしさはそこにあります。

最近東北・福島のジェイビレッジに行ってきましたが、震災下での被災地復興に向けたバスやトラックの駐車場になっていた場所も今はようやく復興に向かっています。急ピッチで進んでいますが来年、再来年に完全完成だそうで2020年のオリンピックサッカー代表の合宿にはこのジェイビレッジを使うそうです。

復興のシンボルとして早く完成して欲しいなと、ただのサッカーファンに過ぎませんが本当に思います。一応募金もあったのでしておきました、微力ながらではあるのですがサッカーを通じて元気になって欲しい、元気な人が増えて欲しい、心からそう願います。

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