[盛和塾] 機関紙マラソン 79号

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塾長講話[第73回]『稲盛和夫の実学』をひもとく

二千万円というのは、どの品物とどの品物の代金ですか。私のところは、一対一で売掛金を処理していますから、何月何日にこの品物を何個何円で売った分のお金をもらったので、その品物は入金済みだというようにしか処理できません。二千万円をもらっても、どの品物の代金かわからないのでは、うちの経理は処理することができません。

【気付き】

会社の数字請求と支払を厳格にしていくこと、1対1の原則の部分です。
数字は間違わないので、おかしい場合には「不良品があったのか?認識ミスか?」などすぐに対処できます。

この数字計測は入金だけでなく請求なんかもすごくわかりますし、大手は厳しいですし、ちゃんとされています、といつも感じます。自社でも「ちゃんとするクセ付け」すごく大事です。細かいけど細かいこともちゃんとした会社=という信頼は実に大事。

そして経営してると結構社長や経営者側から聞くとビジネスモデルや内容などで
「すごいな!」と勢いに圧倒されることありますが、企業の財務内容を調べると事業内容の雄弁さと圧倒的に反対になるケースが多い気がします。(自省もこめて自分も近いのですが)

冷静に数字を俯瞰、現実視。ただハートは熱く事業意欲は志高く。

塾長講話[第74回]-平和堂五十周年記念講演より-

「企業寿命三十年説」をもって、京セラ社内に警鐘を鳴らしました。「どうも会社というのは、創業して三十年ぐらい経つと、がたがきて傾くのが普通らしい。京セラも、もうすぐ三十周年を迎えるけれども、なんとしてもみんなで力を合わせて、傾かせないようにしよう。

その内容が『貞観政要』という書物に収められています。その中には、太宗が側近たちに「周辺の国々を攻め滅ぼして天下を平定すること(創業)とそうして建てた国を守っていくこと(守成)と、どちらが難しいか教えてくれ」

長たる者の資質です。
一番目は、自分の担当した部門に対し、夢、理想を持った人です。
二番目は、担当した部門に対して、自分がこうしたい、ああしたいと抱いた夢、理想を実現させるための強い信念、勇気、情熱を持った人
三番目は、自分の担当する職務を達成するために、必要なそれぞれの職務を分解し、まとめ上げられる人です

店で働く全社員、パート、アルバイトも含めて、老いも若きも男も女もみなに経営者マインドを持ってもらう

【気付き】

スタッフ全員が自分のお店感をもって仕事をしてもらうこと。
この想いをいつまでも言い続けて火をつけること、経営者の役目です。
心に火をつける、圧倒的な当事者意識をもってもらう。

和田山英一〈東京〉㈱ビーアンドピー 代表取締役社長

第十五決算期、今から七年前の平成十二年、幹部社員の大量退職事件が発生しました
全社員の平均年収が念願の五百万円を突破し五百二十五万円になったことです。平均年齢は三十二歳です。

今、私は自分の勤務評定を、業績や利益のもうひとつ向こう、すなわち社員の年収に置くようになっています。まだまだ低い年収ですので、これで十分だとは思っていません。

経営目標として「税引前利益二億円」「社員の平均年収六百万円」を目指す決意です。

【気付き】

スタッフの年収にコミットするのは面白い発想だと思います。
年500万にしたいから、OOくらいやってほしい、はすごくしっくりきます。
年500万なら1000万は粗利で必要、50%ならとんとんになるんかな、うちくらいの小さいとこだと、と思います。

これは早速みんなに言ってみます、微妙な反応でも数字は一度聞くとやっぱり頭から離れないものなので、お地蔵さん理論みたいなもので、だんだんそのお地蔵さんにお供えをするように、言われたことが頭に入って自然になるように、そんな行動を進めて行きます。

林昭〈三河〉 昭和製薬㈱ 代表取締役

林さんの会社は現在、パートの方々を含めて四十名くらいの規模で、売上が六億円をちょっと超えていらっしゃって、経常利益が四千万円くらいあげていらっしゃいます。

私は、下請けで結構です、下請けで注文をもらえることがたいへん嬉しいと思っていました。もし松下さんがたいへん厳しい値段を要求されるなら、私はそれに耐えて、その要求に応えて、さらに利益を出して、従業員を守っていこうと思っていました。

【気付き】

数字が素晴らしいです。
下請けでも十分事業継続はどの業界でも可能です、まして薬業界なのでもっと可能性もありそうです。うちも下請けあります、それでいいと思ってます。

ホンハイのような圧倒的下請けで情報をキャッチも夢あります。

竹市靖公〈名古屋〉㈱ブロンコビリー 代表取締役

「ブロンコビリーは、何をつくっていますか?」ブロンコビリーは、人をつくっています。あわせて、ステーキとハンバーグとサラダバーをつくっていますブロンコビリーは、企業理念を売っています。あわせて、ステーキとハンバーグとサラダバーを売っています」

朝令暮改が必要なのです。本当に向上して一生懸命やろうと思えば、どうしてもそうなってしまいます。

【気付き】

松下幸之助さんの言葉に似ています。
「人を作り、あわせて電気を作っている会社」というのは人を中心に、事業を考える理念の現れだと思います。

ブロンコビリーさん 197億売上 24億営業利益 素晴らしいです。
いきなりステーキ、さんと違うのですが、郊外型高価格レストラン形態で関東にも進出、強いです。

飲食はやっぱり人がいいと流行ります、小売もサービス業も、うちのようなwebサービスもやっぱりここ。明るく信頼を作る人が集まればそこには事業形態違いはあれども、価値が生まれます。そんな気がします。

多くの人が求めた稲盛人生哲学の集大成

人間というものは、子どもの頃から躾をして、教えなければならないと昔からいわれていますが、教えなければ、子どもだからといって美しくてきれいな心だとは限らないのです

「小人閑居して不善をなす」といいます。人生、生きることに忙しいということはたいへんよいことです。忙しいから、煩悩の出てくるすき間が少し小さくなってくる。

【気付き】

暇になるとろくなことがない、平安時代の貴族は暇だったので書籍や
源氏物語のようなことばかりだった、など歴史の先生に聞いたことがあります。

自然と忙しい環境、ストレッチを求められる環境、躾が必要な環境へと
導くような環境作りが大事です。暇だとぼくもそうですが、ロクなことしない。

表紙裏の言葉

一隅を照らす。

与えられた役割を担い、価値を認められて存在している。

私たち一人一人が、一隅を照らす志をもって自らを磨き、人格を高め、各々の持ち場、それぞれの局面において、一心にベストを尽くし、常に輝ける行員、輝ける人間となって、地域や世の中のお役に立つかけがえのない存在になろう。

【気付き】

一隅を照らす、2年前の自分の経営体験発表で井関先生に言われました。

経営体験発表で話いただきまして、前の方で耳打ちして
「一隅を照らす、知ってる?」聞かれて「知らないです」答えて以来、この言葉は気に入っています。

どんな場所であっても「自分の持ち場」で今日も頑張ろう、という話です。
その場所で活躍することが、ひいては周りの人への貢献に繋がるのだから、今日もコツコツと頑張ろう、という話です。