[盛和塾] 機関紙マラソン 37号

[盛和塾] 機関紙マラソン 37号

JSコーポレーション代表取締役社長 米田英一様

父は交通広告の代理店を経営しており、私や弟は小さいときから「会社の経営は面白い」「人に指示されるよりも指示する方が面白い」と教えられながら育ちました。

受験に失敗した私に、両親は非難めいたことは一言も言いませんでした。そのため、私は余計に「本当に申し訳ない。早く注文を取ってお父さんに安心してもらいたい、お母さんに喜んでもらいたい」という気持ちを抱いていました。

第一の要因は、人材です。社員全員が、「日本一の媒体を作ることができる」と考えていたことが大きかったと思います。そのような社員を、「納得できる仲間たちだけを集める」という方針で採用できたのも幸運でした。

【気付き】

両親に親孝行できる人は伸びる、前回の秋山木工所さんでも出てきましたが、米田社長もいい親御さんとそして親への感謝の心をもっておられます。

そういった想いがあれば人材に関しても心をベースとして成長を続けるでしょうし、旗を振ったとしてもみんながついて来てくれる、そう思います。学校情報誌として今でも谷町線広告を見ますが、事業の先見性も強いのだろうと。

AMAZON WOODS LTDA オーナー 中井成夫様

軍事政権時代にはなかった強盗や泥棒が頻繁に現れ、一般家庭や会社を襲いました。私の会社も五年間に三回ピストルを持った強盗に押し入られ、現金や小切手を強奪されました。また、駐車場の車を三回盗まれるという災難に遭いました。
それは「目には目を、歯には歯を」の、やられたらやり返す商売です。それによって引き起こされるお客さんとの裁判沙汰、労働者とのいざこざで自分を見失った私は、鞄の中にピストルを入れて歩くようになりました。

厳しい状況と思いますが、仕事の上ではその程度の変動はよくあることです。順風満帆に行くことの方が珍しいのであって、現在のような激しい、、激しい変動がしばしば訪れることがあるという前提で気を落とさず今まで以上に努力することを期待します。

調子の良いときに気力が充実しているのは、誰にでもできること。悪いときににこそ気力を振り絞り頑張ることが成功の秘訣です。弱音を吐かず、頑張られることを期待しています」

【気付き】

海外事業を行う方の強さはいつも感じます。ピストル持って日々歩く危険性や神経のすり減り方はかなりのものだと思います。

特にブラジルはインフレがあったり賄賂など、社会情勢も不安も多い中で事業を行うハードさ。ただそれでも、目には目をではなく自分の事業を通じて、自分の幸せを通じて、スタッフに対して、地域に対して、街に対して、国に対して行動を貫くことで状況も変化するもの、と感じます。

日本にいる身からすればいつも他国でのご商売、すごいなと。

塾長講話

人生というのはお釈迦様が言われたように諸行無常というか、人生はまさに波乱万丈、本当にいろんなことあります。そういうなかで、大変苦労してもがき苦しみながら真実を求めていかれた方々が、一度そういうものに目覚められると非常に強いという話をこの盛和塾の中でも何人もの方から聞いています。

【気付き】

諸行無常ですし、あと60年経てば100歳なのでたぶん逝ってると思います。
ろうそくの炎のようにいずれ消えるのなら、精一杯炎を燃やし続けようと、改めて感じます。

クリエート 代表取締役社長 藤井勝典様

十人いた営業マンのうち五人にいきなり退社されました。しかも、五人のうち二人が東京と大阪でそれぞれティッシュを中心として独立し、文字道りの競争相手となり、あとの三人はライバル会社へ入りました。退社した人は当然、我々の客先を全部知っていますから、そこに値引きでの売り込み攻勢をかけられ、その年は本当に厳しい試練に立たされました。

中小企業の経営者は大変立派なことをしています。中小企業の経営者の皆さんは、たとえ何人の従業員であっても毎月給料を支払い、その家族の生活まで支えています。それは本当に立派な他利行なのです。

【気付き】

ライバル会社に入るもの、スタッフは退職するもの、厳しい試練があるもの、いろんな試練こそが自分を見つめ鍛えるきっかけになる、と思います。

6つの精進であった「忍辱」という言葉ですが、しんぼうすること、がまんすること、耐えること、そういった姿勢は実に大事です、朝顔が咲くときには朝の冷気が必要だそうです。寒さに耐えてこそ美しい花を咲かせるもの、そう今では確信していますが、発表を聞いて改めて感じました。

アンデス電気安田昭夫様

「経常利益率一〇%以上を出し、強い企業をつくり上げる。そうして内部留保を厚くして、いつでも新規事業に自己資金で投資できるような企業を作りなさい」
自分の会社を良くしたい、何かいい商売で良くしたいといつも思っていると、それが潜在意識にだんだん浸透していきます。

その潜在意識に浸透しているものが、毎日毎日の仕事をしているときでも働いているからこそ、そういうある種のチャンスが来た時に、
それににハッと気が付くといいますか、アッ、これだ!というようにつかむことができます。

東京にある発注元の企業へ一年、二年、三年のサイクルで実習という名目で派遣し、技術の習得努力しました。

これまでにやってこられた下請の仕事と、それをこなした技術を見直すことも必要ではないかと思います。

これという技術はなくても、下請けをやっているうちにそれに必要な技術は習い覚えます。「門前の小僧経を読む」ということと同じで、同じ作業を繰り返していくうちに覚えていきます。

オンリーワンの技術、自社製品を作る力も大事ですけれど、製造品質と生産性の向上に注力をして、大企業が逆立ちしてもできないくらいの安い原価でモノが作れるという技術を磨かれることも、ひとつの方法だと思います。

【気付き】

クレアネットでも下請けの仕事あります。
ただ、全ての会社がオリジナルの優位性あるサービスや事業を行えているわけではありませんし、最終的にはヒトの部分での優位性に委ねている部分があるのが大半のような気がしています。

となると、経営者の役目や人的資産価値を増加させること、独自のオリジナル商品やサービスを発明して新たな顧客価値を生み出すこと、などやるべき箇所が見えてきます。アンデス電気さんのように独自性にとらわれるべきでない、という塾長の言葉はすごく納得です。

酒のキンコー 代表取締役社長 濱田龍彦様

立派な音楽を作った人、立派な小説を書いた人、立派な詩を作った人、立派な建築をした人、たしかに作品は後世に残るかもしれません。けれども、その人は音楽を持って死んでいけるわけでもありませんし、小説を持って死んでいけるわけでありません。

その小説を書くときに、音楽を作曲するときに、その人はいかに苦悩し、呻吟したのか。そしてその過程で、その人の魂がどういうふうなって、死を迎え、新しい旅立ちをしていくのか、それが人生の意義ではないかと私は考えるわけです。
狭い酒類業界ですから問屋から取引停止になるかもしれないとと思い、名前を母方の姓の「有馬」に変えて関東を中心に東北、北海道まで営業エリアを広げていきました。

そこで値決めです。肝心なのは、お客さんが喜んで買ってくださるいちばん高い値段をつけていらしゃっるかどうかです。それより低かったら、お客さんは喜んでどんどん買ってくれますが、それでは商売にはなりません。その値段を探すのが、あなたのいちばん大事な仕事です。
努力をしているかどうかです。ディスカウントの場合はとくに仕入れが大事で、それがつまり値決めに直結します。

【気付き】

母性の有馬に変えて営業を行う。

ここに尽きます、創業はこんな感じですしこのような方法が当然ですが、創業者ではなく今の事業に差し支えないように行うためにはまた苦労があります。

自分の名前が名前を変えて営業用の名前を作ってセールスを行う
「ジョージラードさん」という人の書籍を読んだことがありますが、

「私に売れないものはない」

https://goo.gl/46GtVt
そんなものです。

中の中野屋 代表取締役社長 中野吉貫様

勇気を出して飛び込んでも、受付の女性に手土産を渡し、カウンターにカタログを置いて帰るだけでした。偉い人がいたら入るのをためらい、旅行会社の前の喫茶店で、その人がいなくなるのを待つという有り様でした。

そんな調子ですから、予約など取れるわけがありません。そのうえ、偉い人に「今晩麻雀しないか」「ゴルフに行こうよ」と誘われたらたいへんです。

私はそういうことが全くできないものですから、「今夜の夜行で移動するんです」といったように嘘をついては避けていました。そのときに初めて、営業マンがいかに技術屋より難しいことかを痛感しました。

【気付き】

破天荒な中野様ですが、お土産物という若干普通の人が触れることの少ない業界でもしっかり業務を行っています。営業は技術よりも難しい、もちろんです。

人と人のコミュニケーションはどのようにすべきか、慣れも感覚も大事ですが、「この人のために何かをしてあげたい」発想から全てが生まれます、自分自身でもそのあたりは行動の法則としてまだまだわかってませんが、方向性だけは間違いない、と思います。

ぴあ 代表取締役社長 矢内 廣様

「社長、辞任してください。これは役員の総意です」。平成四年のある日、私は信頼していた役員の一人から突然辞任を要求されました。塾長にお会いし、一連の経緯を説明したところ、私は塾長に「それは、君の怠慢が引き起こしたことだ!」と烈火のごとく怒鳴られました。

結局、私を除いて十一人いた役員のうち、七人がぴあを去りました。
企業理念、社長会議メモ、新人事評価制度、年棒体制の導入など一連の流れは、ぴあが新たなステップへ踏み出すためには、社員の意識、心の問題が一番重要であるとの考えに基づいています。

【気付き】

ぴあの矢内社長のすごい話が出てきています。役員の解任動議など「なぜだ解任(三越の)」では聞いたことありますが、上場企業のさらに業界トップ企業ではなかなかない思います。
その苦悩を察すると胸が締め付けられそうになりますが、塾長の烈火のごとく怒ることやそれは全て自分の意識の怠慢や、隙に由来しているのもわかります。

私もほぼ全員スタッフが退職した際に、自身の隙の甘さを痛感しましたが経営はそんなもの。また塾長を頼り相談したことも素晴らしい判断と感じます、当時の私ではできなかった行動ですので参考に心に留めます。

なぜアメーバ経営が必要か

アメーバの経営の目的とは何か、それには大きく分けて三つあります。
すなわち、

1.マーケットに直結した部門別採算制度の確立
2.経営者意識を持つ人材の育成
3.経営理念をベースとした全員参加経営の実現

「事業として完結できる状態に細分化する」言い換えれば、一個の独立した会社として成り立つくらいの機能を持つ単位に細分化するということです。
当時の伊藤社長(現会長)の発案で、「物流事業部」という新しいアメーバができました。

【気付き】

社内の物流をつくりアメーバで利益を上げた話は
別でも読みましたがこれが伊藤社長とは知りませんでした。だからこそ社長になっているのかな、というのもありますし、改善改善でどんな事業も利益をあげることができる、それがアメーバによって可能になる、クレアネットでも実践を重ねます。
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今回はアンデスさんとぴあさんの話が印象的でした。

アンデスさん ⇒ 最高の下請け
ぴあさん ⇒ 解任動議